ストーリーでわかる心理統計

大学生ミライの因果関係の探究

 

小塩真司 著

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発行日: 2016年9月10日

体裁: A5判並製216頁

ISBN: 978-4-908736-01-8

定価: 2200円+税

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電子書籍あり

内容紹介

「因果関係があるかないかを決めるのは,予想以上に難しかった」

原因って,結果って何だろう?

心理学科のミライが統計にまつわる出来事に遭遇するキャンパスライフ・ストーリー

目次

4月 だいたい――区間推定

5月 くらべる――t検定

6月 まえおき――比較の前提条件

7月 かんれん――相関関係

8月 つながり――因果関係

10月 みあやまり――擬似相関

11月 くみあわせ――交互作用

12月 あつまり――原因同士の関連

1月 ちょうせい――散布図

著者

小塩真司(おしお・あつし)

早稲田大学文学学術院教授
2000年,名古屋大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。主著に『Progress & Application パーソナリティ心理学』(サイエンス社,2014年),『はじめて学ぶパーソナリティ心理学―個性をめぐる冒険』(ミネルヴァ書房,2010年),『性格を科学する心理学のはなし―血液型性格判断に別れを告げよう』(新曜社,2011年),『SPSSとAmosによる心理・調査データ解析〔第2版〕』(東京図書,2011年),『大学生ミライの統計的日常―確率・条件・仮説って?』(ストーリーでわかる心理統計1,東京図書,2013年)など。

プロローグ

原因と結果。

そんなの,すぐに見つかるはず。

 

ずっと私は,そう考えてきた。

科学が発展して,新しい発見があって,原因がわかるようになって。

そうやって,世界が次々と変わってきた。

きっと,何もかもが明らかになる,そういう時代が来るだろうって。

 

自分のまわりのことも同じ。

原因なんて,簡単にわかる。

だってみな,あの原因はこれだ,この原因はそれだって,言っているじゃない。

ちょっと注意深く物事を見れば,すぐに何が原因か,わかるはず。

 

でも実際は,そんなに簡単じゃないみたいだ。

例えば,いま。

あなたは何をしている?

どうして,それをしているの?

たった1つの原因だけで,それをしているの?

他にも原因があるんじゃないかな?

そう,それ。

でも,それだけじゃない。

もっとほかにも。

ほかにも。

もっと。

 

原因を考え出すと,止まらなくなる。

あれもこれも,何かに影響を与えていて,それがまたほかのものに影響する。

そう。

延々と続いていく。

 

私たちはただ,「それが原因だろう」って,決めつけているだけ。

どうやったら,ちゃんと原因にたどり着けるんだろう。

どうやったら,それが見えるようになるんだろう。

 

統計と心理学を学びながら,そんなことを考えた。

これはそんな,私の大学生活の物語。

あとがき

本書の舞台は,とある大学の心理学科です。学生たちは,心理学を中心に据えながら,統計的な知識やその周辺のさまざまなことを学んでいきます。ストーリーの内容を読んでいただければわかるように,心理学にとって統計学の知識は不可欠なものとなっています。そして,現実の生活の中で起きる出来事に,それぞれの知識を結びつけていきます。しかし,これも本書で描いたように,単に「こんなときはこの分析方法を適用する」というだけでは解決できないような問題にも直面します。マニュアルとは異なる,知っておくことで考え方が変わる,そして現実生活にも結びつきうるような世界を描くことができたら,と思いながら今回のストーリーを執筆しました。稚拙な部分は多々あるかと思いますが,物事の考え方の部分だけでも何かの参考になれば嬉しく思います。

本書は,東京図書より2013年に刊行された『大学生ミライの統計的日常―確率・条件・仮説って?』(ストーリーでわかる心理統計1)の続編として執筆したものです。登場人物の多くも前回と同じで,主人公である庭瀬未来が大学の中で友人たちや先輩,先生と交流することで統計学や心理学のエッセンスを学んでいくものとなっています。ミライたちは2年生に進級し,心理学についても統計学についてもより多くを学んできています。そして1月には,江熊先生とミライの関係が少しだけ明らかになります。登場人物たちのやりとりも楽しんでもらえればと思います。なお登場人物の一部は,『研究をブラッシュアップする―SPSSとAmosによる心理・調査データ解析』(東京図書,2015年)にも登場しています。こちらもあわせて手にとってください。

本書は紆余曲折あり,株式会社ちとせプレスより出版させていただくことになりました。さまざまなご配慮をいただいた櫻井堂雄氏に心より感謝申し上げます。

2016年7月

小塩真司

内容を一部公開

本書の内容の一部を掲載しています。

10月 みあやまり――擬似相関

メディア掲載、書評等

日本パーソナリティ心理学会「図書紹介」、書評(評者は仲嶺 真先生)