のぞいてみよう!ICP2016――世界と日本の心理学の未来に向けて(前編)

――専門的な国際学会と今回の国際学会とはどう違うのですか。

そもそも,通常の国際大会よりも規模が格段に大きいことです。また,ICPは心理学の全領域を網羅しています。ウェブサイトにも領域のカテゴリー・リストとして63のトピックを掲載していますが,通常の心理学の研究であればそのうちのどこかのトピックに含まれると思います(2)

また,ICPはそもそも国際心理科学連合(IUPsyS)が母体です。この組織の目的として,心理学の研究そのものを促進しようという意図が一番に重要であることはもちろんですが,さらに世界の問題を解決するために貢献しようという目的ももっています。現代社会が当面する問題を解決するための心理学という視点は,これまでの日本人の研究者には比較的乏しかったのではないかと危惧していますが,そのような姿勢を体験できるということも1つの意義だと思います。

ICPは2012年に南アフリカのケープタウンで開催され,約5000人の参加者がありました。今回の参加者は,それよりもはるかに多いと予想しています。4月10日時点での参加者数が,登録アカウント数で8692人です。そのうちすでに参加料を支払っているのが7000人ほどです。

基調講演(Keynote Addresses)も30件近く用意されています(3)。ほかに招待講演が140件程度,一般公募の発表が6000件以上,シンポジウムが400件以上あり,さらにさまざまな企画が予定されています。発表は基本的には英語ですが,日本語でも可能です。

――参加者はアジア人が多いのでしょうか?

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全世界から参加者が来ます。相対的に知識がある米欧の現状だけではなく,世界各国の心理学の現状を知ることができ,そのために日本ではどのようにすれば心理学が世の中に貢献できるかについてヒントを得るうえでもよい機会だと思います。

また,Emerging Psychologist Programという,心理学の将来を担う大学院生などに向けた特別なプログラムも用意されています(4)

(→後編に続く)

文献・注

(1)  ICP2016のウェブサイト

(2) Program – Topic Category List

(3) Program – Opening Lecture and Keynote Addresses

(4) Emerging Psychologists’ Program


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