事件,事故のことを子どもからどう聴き取ればよいか?――子どもへの司法面接(2)

事実について報告を求める

面接の構造

面接は,子どもの自由報告を引き出しやすいように,以下のように緩やかに構造化されている。

1.子どもに挨拶をし,面接の目的を述べる。

2.面接を開始するにあたり,約束事を述べる。約束事は通常,次の5つを言う。

・「本当にあったことを話してください。」

・「質問の意味がわからなかったら,わからないと言ってください。」

・「質問の答えを知らなかったら,知らないと言ってください。」

・「私(面接者)が間違ったら,間違っているよと教えてください。」

・「私(面接者)は何があったかわかりません。あったことを,最初から最後まで全部話してください。」

こういった文言は,より正確に,よりたくさん話すよう子どもを動機づける。約束すれば絶対に大丈夫,というものではないが,予防接種のような働きをする。つまり,出来事についてより正確に,よりたくさん話してもらえる確率を高めるといえる。

3.次に,話しやすい関係性(ラポールという)をつくる。

たいていは,「何をするのが好き?」などと尋ね,子どもの好きなことを話してもらう。

「何をするのが好きですか?」

「お友達と遊ぶのが好き」

「じゃ,お友達と遊ぶときのこと,お話しして」

「学校から帰ってきて,近くの○○ちゃんの家に行ったりする」

「うん,行って,それからどうするの?」

「えっとね……」

このように話してくれたならば,「今のように話してくれるとよくわかります。今みたいにたくさん話してくださいね。」と動機づける。

4.さらに,出来事を思い出して話す練習をする。

司法面接は「いつものこと」や「知っていること」ではなく「何があったか」を話してもらうことを目指す。そのため,特定の出来事を思い出して話してもらう練習をする。

例えば,次のように報告を求める。

「今日あったことを最初から最後まで思い出して,話してください」

「えー,わかんない」

「そうか,朝起きて一番最初に何をした?」

「トイレに行ったかな」

「そうか,そのあとは?」

「朝ごはん食べた」

「うん,それから?」

「うーんと,学校の準備して,○○くんが迎えにきたから,一緒に学校にいって……」

このように話ができるようになってくると,大変よい。日常生活では「最初から最後まで話して,全部話して」や「それから?」「そのあとは?」というように自由報告を求めることはあまりない。ここで練習をしておかないと,本題でも十分な報告を期待することができない。


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