日本発達心理学会に参加しました
Posted by Chitose Press | On 2016年05月16日 | In サイナビ!, 学会初日の最後は,「ライフサイクルの関係性から死生を読み解く――死生心理学の展開(1)」。死生心理学というものはあまり耳にしませんが,死や生に関わる心理的な現象は,言われてみればさまざまにあります。認知発達研究としてもそうですが,特に「死や生」と日々向き合う必要のある医療現場における実践的な期待も高そうだなと思いました。『はじめての死生心理学』という書籍が現在進行している,ということでした。楽しみですね。
初日はこれで終了。久しぶりの学会でしたが,学会に行くと新しい先生やテーマの発表に触れる非常にたくさんの機会がありますので,とても刺激的です。
2日目(4月30日)
2日目は前日にも増して寒い日でした。朝,外に出るとぱらぱらと雪が。宿泊先から会場に向かう間に路面電車が横を通りました。札幌近辺は碁盤目状に道路が走っていて,一方通行の道が決まっていたり,路面電車が走っていたりと特徴のある街並みです。
さて,2日目も午前に1つと午後に2つ。
午前はまず「思春期の発達的意義を多様な観点から検討する」を覗きました。思春期心理学の授業が開講されている大学はほとんどないそうです。なるほど。続いて,「授業におけるコミュニケーションの背景と意味を考える」へ。授業中になされるやりとりというのは奥が深いな,と。そのまま駆け足で,「社会脳の発達とその多様性」に向かいましたが,一番大きい大講堂が埋まっており,フロアからの質問もたくさん出ていて,関心の高さが感じられました。
昼の1時間の間に,寄ってみたかったクラーク博士の銅像に行くことに。会場からは少し離れています。風も強く,雪がギュッと小さくかたまったものがばらばらと降ってくるなか,何とかたどり着きました。
午前中は3つをめぐりましたが,午後の1つ目は「「非定型」の視座から発達進化研究のフレームワークを再考する」を最後まで聴講。早産の子どもの発達の研究のほか,理学療法士の方の脳性まひの子どもとの関わり,医療人類学者による離島の子どもたちの観察,霊長類学と保育政策からのコメントと,「定型」ではないさまざまな発達のありようを深く見つめるさまざまな視点が印象的でした。