日本発達心理学会に参加しました

午後の2つ目は「公認心理士法成立後における発達心理学の専門性」を覗きました。公認心理士法が成立し,心理学を学ぶことができる各大学,大学院では対応が迫られているという話を耳にしていましたので気になっていたのですが,まだ定まっていないことが多いようでした。なお,これは臨床発達心理士資格更新研修会として設定されていて,ポイントがつくようでした。ほかにも合計6つほど設定されているようでした。

その後,「逸脱した若者のリジリアンスを考える――「道具であると同時に結果でもある」ような支援のあり方」を聴講。リジリアンスを手がかりに,若者の逸脱について議論されていました。そこでは次の書籍が紹介されていました。

マイケル・ウンガー 著, 松嶋 秀明 訳, 奥野 光 訳, 小森 康永 訳
金剛出版 (2015/1/7)

 

この時間帯で1つだけ長めの時間がとられていた「関わりの中でこころを感じる――社会的理解の諸起源」を少しだけ覗いてみることに。海外からの招待講演で,英語でのやりとりがなされていました。全部ではありませんが,質問が聴衆のために訳してくださっていたりと,配慮がありました。講演者は最近刊行された次の書籍の著者でした。

ヴァスデヴィ・レディ 著, 佐伯 胖 訳
ミネルヴァ書房 (2015/3/30)

 

その後,時間を空けて学会賞授賞式・会務報告会があり,夜は懇親会が催されていたようでした。

3日目(5月1日)

前日とは打って変わって,この日は晴天。寒いのは寒いですが,気持ちのよい日でした。

この日は午前と午後に1つずつ。

午前は「病気やケガをめぐる大人と子どものコミュニケーション」を聴講。病気やケガを子どもがどのように理解し,親や医療関係者などの大人とどのようにやりとりがなされるのかということが話題提供され,認知発達と保健・看護の観点からのコメントがなされて,理論的にも実践的にも広がりのある面白い内容でした。ここでは次に挙げた書籍などが紹介されていました。

マイケル シーガル 著, 外山 紀子 訳
新曜社 (2010/04)

 

 

最後の午後のセッションは,「双生児縦断研究の挑戦――遺伝と環境の発達的ダイナミズム」に。国際的にいろいろな双生児縦断研究があるようですが,日本でもいくつかの研究機関でなされているようで,そこの研究者の方々が登壇されていました。双生児縦断研究は,ヒトの発達の様相を知るうえでかなり強力なデータだろうと思います。研究でわかってきたことや今後の展開のほか,研究を継続していくことの大変さも語られました。

3日間の充実した学会もこれで終了。自分が見聞きしたもの以外にも,楽しそうなテーマの企画がいろいろとありました。大会テーマ「変化と多様性」の通り,変化と多様性が随所に感じられた大会でした。大会を運営された方々にあらためて御礼を申し上げます。


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